

平成9(1997)年、ところは呉市経済部商工観光課。「今年の観光ポスターのテーマは肉じゃがでやるぞ。」という話が飛び込んできました。 市議会で「呉らしい特産品として、海軍発祥と言われる肉じゃがをPRしたらどうか。」という提案があったというのです。 そこで商工観光課は考えました。それまであまり注目されていなかった旧海軍が残した食文化に着目することで、ストーリー性のある新たな観光資源のひとつとして育てることができるのではないかと。 しかし2年前には京都府舞鶴市が「肉じゃが発祥宣言」をしています。「よし、徹底的に調べてみよう」。 歴史が紐解く作業が始まりました。
資料を集め、検討していくうちに「発祥ということで言えば呉市が先だ」という確信めいたものが生まれてきました。
早速、その年の「くれ食の祭典」で海上自衛隊の全面協力のもと、由緒正しい海軍の肉じゃがを市民に振舞ったところ、予想以上の大盛況。
「これはいける」という気運が高まりました。そして「肉じゃがのふるさとは呉!?」の観光ポスターを製作。
東京以西の主要JR駅構内に掲示するや話題を呼び、肉じゃが発祥の地をめぐるホットな論争としてテレビ・ラジオ・新聞各紙に数え切れないほど取り上げられるようになったのです。
先に発祥宣言をした舞鶴市との最初の直接対決が行われたのは平成10(1998)年「第6回くれ食の祭典」のことでした。
その様子はテレビで全国放送され、肉じゃが発祥論争は全国的に有名になりました。
翌年は呉市側が総勢40名で舞鶴市の「赤レンガフェスタ」へ。肉じゃがを通じた両市の交流が始まりました。
対決が白熱する中、同じ旧軍港都市である神奈川県横須賀市がカレー、長崎県佐世保市がハンバーガーで参戦。
旧海軍都市独特の「食文化」でわが街をPRしようと4市の市民交流へと広がっていきました。
呉市ではこうした流れを受け、また活動の一層の広がりを図るため、行政指導だった活動を支援してきた市民団体に引き継がれ、
正式に「くれ肉じゃがの会」が発足したのです。
「肉じゃがを愛し、発祥地は呉であることを高らかに宣言し、全国に呉市をPRする」をモットーに現在も日々活動を続けています。
